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交わりの祠【R18】

第14章 龍の巫女



衣装だけでなく、髪飾りや扇子も重い


一通り踊るだけで汗が浮かんだ



「鈴音様。表情が固いです」



そんな指摘を受けながら鈴音は稽古に励む


稽古の日数は少ない


ここで音を上げることはできなかった



「いいですね。では、最後に帳くんと動きを合わせましょう」



小太鼓を叩いてくれていた帳


帳は龍の役だ



「龍に台詞はありません。巫女が舞を披露した後やってきて、巫女を抱き寄せて口付けを交わし、そのまま舞台袖に消えていくだけです」


「く、口付け!?」



鈴音が驚いた声を出すと桜はクスクスと笑う



「当然フリです。もし本当にするような事があれば帳くんの命は私が奪いますから。そう…八千代様より早く、ね」


「…さ、桜?」



桜の発言に帳はぶるりと身を震わせていた


と同時に八千代が龍の役を代われと言っていたのを思い出す


もし八千代が龍の役だったらフリだけでは済まないだろう



「では、稽古を再開します」



桜の指示で再び稽古が始まった



舞を終え、龍を迎え入れる


そして口付けと同時に龍を完全に鎮めるのだ


無事に秋に収穫できますように、と祈りをこめてーー



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