第14章 龍の巫女
翌日、稽古に励んでいると鈴音を見守っていた桜が首を傾げる
「…どこか、間違えたかな?」
「い、いえ!失礼しました。今日の鈴音様はとても調子が良いと思いまして」
「そう?」
言われてみれば体の調子が良い
なんだか軽いようだ
昨夜も八千代に激しく抱かれたが、目覚めも悪くはなかった
…ひょっとして、体力がついてきたのかな?
今までの日中は八千代に抱かれるか、ゆっくり休んでるだけだった
しかし最近は稽古に励んでいる
もし体力がついたなら嬉しいな
鈴音は小さく微笑むと稽古を再開した
それから数日後
豊穣祭はあと三日後まで迫っていた
「鈴音様。衣装が出来上がったようです。今日からはそれをお召しになり、稽古をしましょう」
桜の提案で衣装を身に纏う
着物と巫女装束が融合された華美な衣装だった
肌の露出は抑えられており、八千代の細かい指示があったのだろうと察しがつく
しかし、問題なのは衣装の重さだ
鈴音はここまで飾られた衣装を着て踊ったことはない
動けば大きな鈴がしゃらんと音を立てた