第13章 熱中症注意
青々とした森の中
真っ白な石で出来た神殿がそびえ立つ姿は圧巻だ
神社等、木で出来た建物は昔からあるが、石で建てられた神殿とは非常に珍しい
しかも石を積み上げて造られたのではなく、壁も柱も一つの石で造られたように見える
「どうぞ、お入りください」
桜に促され、八千代達は神殿へ踏み入れる
するとーー
「嘘…、涼しいっ!?」
鈴音が驚いた声を上げる
それは神殿内で響き渡った
まるで別世界に来たかのように、外との温度差が激しい
驚きと共に喜ぶ鈴音を見て桜は説明を続けた
「今いるのは人々が神に祈りを捧げる部屋です。そして奥に一部屋ありますが、そこは神が休まれる間。普段は入ることが許されておりません。どうか、お二人にはこちらで休んでいただきたく」
そう言って桜は帳と準備を始める
床にござを敷き、ゆっくりくつろげるようにしてくれてるのだ
ちゃっかり帳は八千代の仕事まで持ち込んでいる
二人のおかげであっという間に快適な空間へと早変わりした
「素敵。ありがとう」
鈴音が嬉しそうな声を上げると桜は照れたように笑う
「八千代様、他に何か必要なものは?」
帳が尋ねると、八千代は特に無いと告げる
それを確認し、帳と桜は一礼すると神殿を後にした