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交わりの祠【R18】

第12章 ★桜の秘め事(~P182)



「えっと…戻る?」



とりあえず提案してみるが帳が頷く事はなかった


代わりに懐から小さな包みを取り出す



「これやる」


「えっ?」



受け取って包みを開けば現れたのは桃色のかんざしだった



「か、可愛い!いいの?」


「桜のために選んだからな。今日、誕生日だろ」


「あっ…」



言われて桜は思い出す


今日が誕生日だったことに


それはつまり帳の誕生日でもあるのだ



「ど、どうしよう…私、何も用意してなくて」


「いいよ。その代わり…」



頬に手が添えられると上を向かされる


それと同時に唇が重なっていた



角度を変えて何度もせめられ、桜は苦しくなって帳の裾を掴む


しかし、帳が解放してくれることはなく、侵入してきた舌が口内を犯した



「ちょ…くん…」



なんとか隙間から酸素を取り入れるが、頭がくらくらとしてくる


立っていられなくなった桜は帳の腕によって支えられていた


やっと離れた帳の唇が桜の耳へと移動する


そして…



「桜が欲しい」



呟かれた一言に桜は全身が一気に熱くなるのを感じた



「ちょ、帳くん!?」


「ダメ?恋人になった俺とのこと、想像してくれてたんじゃないの?」


「うっ…」



桜は言葉につまる


それを了承と取ったのか、桜の耳にキスが降り注ぐ



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