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交わりの祠【R18】

第12章 ★桜の秘め事(~P182)




…もしかして、鈴音様が帳くんと話す機会を作ってくれたのかしら



桜はぐっと奥歯を噛み締める


だとしたら…



「いらっしゃらないな。じゃ、俺は行くから」



机に盆を置き、すぐに背中を見せる帳


反射的に桜は手を伸ばし、裾を掴んでいた



「……なに?」



立ち止まった帳が振り返る


その声に萎縮してしまいそうになるが



「こ、この間の話なんだけど…」



喉が乾いて張り付いたような感覚になり、上手く喋れない


それでも桜は続けた



「あの…ごめん…」


「あぁ、いいよ。桜の態度見てればわかったから。もう忘れて」


「そ、そうじゃなくて!」



思わず声を荒げてしまう


さすがの帳も驚いたようで目を見開いていた



「あっ、ごめん。えっと…だからね…」



心臓がうるさくなる


たった二文字を伝えることがこんなに緊張するとは思わなかった


だが、今言えなければ二度と言えない気がした





「帳くん…のこと、好き…です」




やっと出た言葉はたどたどしい



ちゃんと伝わったか不安になるほどだ



「………」


「帳くん?」



やっぱり聞こえてなかったのだろうか


桜がもう一度思いを口にしようとした時


腕を引かれ、気がつけば帳に抱き締められていた


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