• テキストサイズ

交わりの祠【R18】

第12章 ★桜の秘め事(~P182)



それから、桜は帳とはぎこちない状態が続いていた


主に桜が緊張してしまい上手く話せないでいたのだが…



「桜、あのさ…」


「あっ…中庭の掃除がまだだった!」



逃げる口実を作って立ち去っては後悔する


それの繰り返しだった



その行動がどんなに帳を苦しめているかも気づかずにーー





告白から四日後、桜は帳が買い物へ行くと聞き、調味料の買い出しをついでにお願いしようと思い立つ


今まさに出掛けようとしている帳を見つけ



「ちょ…帳くん」



緊張ながらもその背に声をかける


いつもなら優しい笑顔を見せてくれる帳


何故か当たり前のようにそんな帳を想像していた桜は固まった



「なに?」



振り向いた帳に笑顔はなく


聞いたことないような低い声を出し、冷たい目で桜を見下ろしたのだ


無意識にビクっと体を震わせてしまう



…こんな帳くん、知らない…



「桜?」


「あっ、えっと…買い物行くって聞いて…醤油が足りなかったから…」


「わかった」



帳はすぐに踵を返して門をくぐる


その背はすぐに見えなくなっていた



「帳…くん?」



桜はしばらく動けずに立ち尽くしていた



/ 233ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp