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交わりの祠【R18】

第12章 ★桜の秘め事(~P182)


「あっ、やっと来たわね」



紅葉に迎えられると、既に部屋には他に二人がいた


紅葉は古株のため、与えられた部屋は広い


四人いてもまだ余裕がある程だ



「あれ?他のお姉さま方は?」



桜が首を傾げると、参加者の一人、桔梗がクスっと笑う



「先月から参加は私たちだけよ」


「えっ、そうなんですか?」



傾けた首はなかなか戻る事がない


この女子会は毎回皆が参加すると聞いていたからだ


本家で住み込みで働く女は桜をいれて八名


つまり四名が不参加ということだ



桔梗が説明を続ける



「他の四人はね、本気で八千代様を狙っていたのよ。だからふてくされてるのよね」


「八千代様を…?」


「えぇ。最初から望みがないと何度も私たちは忠告したのだけれど、聞く耳を持たなかったのよ。それで八千代様がご結婚されたから、拗ねちゃってるの」



はぁ……と桜は呆れてしまう


本家で働く女は一度は八千代の婚約者候補になったが、全員白紙にされている


桔梗ともう一人の参加者、紗良は既に結婚しており、当主の妻の座なんて興味ないといった状態だ


独身の紅葉も興味が無いらしいが、数多の求婚を受けており、断るのが一苦労だと話しているのを聞いたことがある



「まぁ、いいじゃん。乾杯しよー!」



紗良の掛け声で乾杯をする


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