第12章 ★桜の秘め事(~P182)
この鬼の村では十六才から成人とみなされる
そのため、未成年の桜だけジュースで他の三人はお酒を飲んでいた
「はぁ~。月に一度のお酒は絶品ね」
紅葉が早くも頬を染めると桔梗が同意した
「そうね。贅沢だわ」
お酒が進めば進むほど三人は饒舌になっていくのを見ながら桜はちびちびとジュースを飲んでいた
そして女子会が始まって三十分程経った頃
「そうだわ。そろそろ桜にもあの教育を施さなくては」
桔梗が思い出したように声をあげる
それに紅葉と紗良も頷いていた
「あの…とは?」
桜だけがわかっていないようだ
だが、紗良の目がニヤリと細められ、桜は思わず頬をひきつらせる
何だか嫌な予感がした
「こら、桜。逃げないの!いい?これからすっごい大事な事を教えてあげるから」
「大事なこと?」
「そう、男と女の関係について」
はぁ…と言いながら桜は首を傾げる
三人は既に少し酔っているようだった
まず説明を始めたのは桔梗だ
「まず大事なのは、女は男に抱かれるとその男の匂いが移るの。そして、この村の男たちはその匂いをかぎとることができる。だから、抱くのも抱かれるのも相手は絶対一人、いいわね?」
「へ?」
「何人もの相手に抱かれてしまうと、女の少ないこの村でも一生独身、なんてことになってしまうわ」