第11章 媚薬の熱
紫村の実験のため、鈴音は無理やり媚薬を飲まされたというのだ
「くだらない」
「えぇ、そうでしょう。ですが、鈴音様は媚薬を服用されました。もうすぐ効果が出てくるでしょう。鈴音様を鎮めるには八千代がお相手するしかございません」
紫村は笑顔を見せると困惑した様子の帳を手招きして部屋を出る
「さぁ、帳くん。二人の邪魔はしてはいけません。人払いもしましょう。あ、八千代様。結果をお教え下さいね。それでは」
パタンと襖が閉められる
八千代は呆然と立ち尽くしていた
このままでは紫村の思うつぼだ
だが…
「八千代…さ…ん…」
「鈴音!?」
声がして鈴音に寄る
その肩を抱きしめてやれば、潤んだ瞳が八千代を見上げた
「鈴音…お前…」
「八千代さん、助けて下さい…。体が、熱くて…おかしいんです」
媚薬を飲まされたということは事実なのだろう
他の男のせいで鈴音が欲情するなどあってはならない
だが…このままでは鈴音が辛い思いをするだけだ
八千代が悩んでいると唇が重ねられる
すぐに熱い舌が割り込んできて八千代を求めて動き回る