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交わりの祠【R18】

第11章 媚薬の熱




長い廊下を走り抜け自室の襖を勢いよく開ける



するとそこには倒れた鈴音と紫村の姿があった



「おや、思っていたより早く来られた」



紫村は八千代を見て不敵に笑う



「鈴音!?大丈夫か!?」



紫村の横を抜け、倒れている鈴音の肩を揺する


その目はどこか虚ろで八千代を捉えようとしない


鈴音の口の端から赤いものが垂れていたが、どうやら血ではないようだ



「…紫村。鈴音に何をした」



紫村に視線を向けるが、奴はひょうひょうとしたままだ



「なぁに。ちょっと実験に付き合って貰おうと思っただけですよ」


「実験…だと…!?」



紫村の勝手な都合で鈴音が得体の知れない液体を飲まされた


他の男が鈴音に触れたと考えるだけで怒りがこみ上げる



「ふざけんな!!」


「お待ち下さい八千代様!!」



殴りかかろうとした八千代を止めたのは少し遅れてきた帳だった


八千代に抱きつき、必死にそれを止める



「帳、離せ」


「いけません!貴方が殴りかかれば紫村は…」


「おや?帳くんは私の命を心配してくださるのですか?」



怒る八千代を前にして、紫村は怯えたような、そして安堵したようなフリをした


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