第10章 病に勝つのは
「…八千代さん」
堪えていた涙が溢れ出す
会いたくて、顔が見たくて気が狂いそうだった
そして、やっと手の届く先に八千代がいる
それだけで鈴音は嬉しかった
すぐ横には手拭いと水を張った桶、八千代の着物が用意されていた
涙をぬぐうと鈴音は手拭いを水でさらしてそれを絞り、八千代の汗を拭く
体に張り付いた着物をなんとか脱がすと、全身くまなく丁寧に拭き上げた
そんな中…
「…八千代さんってば」
意識が無いはずの八千代の男根がぐっと大きくなる
ソレはすぐにはち切れそうな程パンパンに膨れ上がっていた
久しぶりに見るソレに、鈴音はごくりと唾を飲む
「と、とりあえず拭かないとね」
自分に言い聞かせるようにソレに手を添えれば、ピクッと反応する
拭けば拭くほどソレは苦しそうに感じられた
熱を発散することだけです、医師はそう言っていた
それなら…
鈴音はちゅっと八千代自身に口付ける
そして舌先でちょろちょろと舐めると
「うっ…」
八千代から苦しそうな声が上がった
「八千代さん…熱、出しましょうね」
そう言うと鈴音はソレを口に含んでいた