第9章 二人のこれから
いつかは世代交代する日がくる
そうすれば、鈴音と八千代はただの夫婦という関係になるのだろう
だが、それも楽しみである
この先もずっと一緒にいられるなら、何が起きても二人で乗り越えていける気がした
祠の亀裂はまだ消えそうにないが、悪化はしないと確信している
「八千代さん…これからもずっと一緒ですよね」
「どうした急に」
頭を撫でられ照れ臭くなる
八千代の優しい声は、既に答えを聞かせてくれているようなものだった
それなのに…
「俺の愛が信じられないって言うのか?」
「えっ?」
驚いて顔を上げれば、ニヤリと笑う八千代がいた
慌てて離れようとすれば腰に回された手が逃げることを許さない
「今日は夜まで我慢しようと思ったが、俺を疑うなら体で証明してやってもいいんだぞ」
「や、あの…午前中に祠の結界を強化したばかりなので…」
「なに。遠慮することはない」
あっという間に唇が塞がれ、八千代の手が鈴音の胸へと伸びる
「や、ちよさ…」
酸素を求めながら抵抗するが
当然敵うはずもなく、気がつけば押し倒されていた
「安心しろ。たっぷり可愛がってやる」
「八千代さん…」
与えられる愛撫は甘く、すぐにとろけてしまう
鈴音は八千代に触れられると
当たり前のように何も考えられなくなっていたーー