第8章 止まらない刺激
「こ、この村は女の人が少ないと聞きました。だから桜ちゃんは人気者なんだろうなぁと…」
照れを誤魔化すとつい早口になってしまう
そんな鈴音を見て八千代は微笑むと教えてくれた
「まぁ、他の男たちにも可愛がられてるのは何度も見たな」
「でしょう」
「だが、桜には番犬がいる。誰も桜には手を出せないはずだ」
「…へ?」
そんなすごい犬を飼っているのだろうか
鈴音がうーんと考えていると
「帳のことだ」
すぐに八千代が鈴音の間違いを指摘する
「帳くん、ですか?」
「あぁ。あれはずっと桜と一緒にいるからな」
「へぇ、仲良しなんですね」
「なんでも産まれた日が同じらしい。だからより、帳にとって桜は特別なんだろうな」
二人を思い出す八千代の目はお兄さんのようだ
また新しい一面を発見してしまった
「あれ?でも、恋人じゃなくて番犬なんですか?」
「そこは聞かないでやってくれ」
「はぁ…」
鈴音は幼なじみがいないため、よくわからないが
どうやら幼なじみにも色々な状況があるようだ
「さて。飯も食ったし風呂行くか」
八千代に促され、鈴音は部屋を後にした