第8章 止まらない刺激
ご飯はどれも美味しいものばかりだった
初めて食べるものが多く、ついつい食べ過ぎてしまう
食後、お茶を淹れにきた桜に声をかける
「とても美味しかったです。ご馳走様でした」
「あっ、ありがとうございます!」
桜は驚いた顔をしたが、すぐに頭を下げる
そんなにかしこまらなくても…と声をかけると桜は頭を横に振った
「鈴音様に喜んでいただけてよかったです」
「ここの飯の仕込みは桜が担当してるんだ」
八千代が桜に誉めの言葉を投げ掛けると、桜は照れたように笑った
…か、可愛いっ
鈴音には今まで味わったことのない感情が芽生えていた
妹がいたらこんな気持ちになるのだろうか
「あ、あの。お風呂の準備は整っております。いつでもご自由にお使い下さい」
「わかった」
「で、では。失礼します」
パタパタと逃げる姿は猫のようだと鈴音は思った
時間をかけて仲良くなれたらいいな…
桜が閉めた襖を見つめたままでいると
「…俺より桜が気になるのか」
不満そうな声がした
驚いて八千代を見れば口をへの字に結んでいる
「ち、違いますよ。可愛いなぁって思いまして」
「お前の方が可愛い」
「なっ…」
不意討ちに鈴音は顔を赤くした