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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第8章 冷静なリーダーと嬌艶な夜


コンコン


「誰だ… いいムードを邪魔するのは」


ベッドルームのドアがノックされた
ターゲットは少し私と距離をとり
ドアの方を見つめる


「失礼致します
ルームサービスのドリンクをお持ちしました」


この声は…!


燕尾服がとても良く似合う人が入ってきた
黒髪にキラキラオーラを漂わせている


「こちらに置いておきます」


ホールさん…!

一瞬だけ目が合う


“お願いです 助けてください…!”


目だけでメッセージを送る


「おや、旦那様はスーツを着たまま
事をしようとしていたのですか?
脱がして差し上げますね」


ホールさんがターゲットに話しかけて
ごく自然に近づく


「ああそうだな… 悪いね…」


ホールさんがターゲットの肩に触れた瞬間


「んぐっ……!」


そのままターゲットを羽交い締めにする
床にねじ伏せて
バタバタと暴れているターゲットを気絶させる


「ホールさっ…」


私が呼ぶより早く
ホールさんは私も姫抱きにして
そのまま個室を出た


「オリヴァー、エリオット聞こえるかい?
招待状は入手できたから
裏に車を回して欲しいんだ
ああ、頼むよ
それと毛布を用意して欲しいな」


ホールさんはテーブルの上に置きっぱなしだった
招待状を持っているのか…

堪えきれずに涙が溢れ出る


「うぅっ…… ひっく……」


ホールさんの胸板に顔をうずめる
とても安心するいい匂いだな…


「ティナ怖かったね…
ごめんね… 助けるのが遅くなって…」


そんな事はない
助けてくれただけで嬉しかった


「ホールさっ…ん
ありがとうございます…」


より強く抱きしめられて
髪に柔らかい感触を感じる


「……?
あのっ、ホールさん…?」


「どうかしたのかいティナ?」


ホールさんはいつもと変わらない表情だ
気のせいなのかな…
髪にキスされたのかと思っちゃったよ…


「いや… なんでもないです…」


裏の出入口に着く
私を隠すようにして1台の車に近づく


「よぉ、ホール 潜入お疲れさまだな」


そう声をかけるオリヴァーから
無言で毛布を奪い取り
私にかけてくれた

ホールさんの無言の圧に
オリヴァーは察したらしく


「はぁ、後ろの座席のドア開けてやっから
早く乗れよ すぐ出るからな」
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