第8章 冷静なリーダーと嬌艶な夜
ドアを開けて鏡の前にティナがいた
鏡越し彼女を見ると
それはとても美しかった…
細身のティナに
踊り子の衣装はとても似合っている
…というか
どんな衣装でも似合うだろうねティナなら
ティナの髪をセットする
柔らかくてくせっ毛なティナの髪は
さらさらで気持ちがいい
耳上の辺りから編みこみをしていく
「ホールさん慣れていますね
昔、彼女さんにやってたんですか?」
彼女なんて…
最後にいたのは何年前だろうね…
lexxに入る前に別れたきり何も無いな…
「恋人じゃなくて、
昔オリヴァーにやっていたんだよ
オリヴァーを引き取ってから一緒に住んでいてね
長髪の時期もあったから少し遊んでみたんだ」
そう… 恋人じゃなくてオリヴァーなんだ…
寝てる間にこっそりやってたからね…
バレた時はとても怒られたな…
「オリヴァーの編みこみ…
見てみたいですね!」
「そうかい?
絶対見せてくれないと思うけどね
…っと、ティナできたよ
こんな感じでいいかい?」
片側だけ複雑な編みこみをしてみた
気に入ってくれるといいんだが…
「とても綺麗でお上手ですねホールさん!
ありがとうございます」
「気に入ってくれたみたいで安心したよ
じゃあもうすぐ出番だろうから…
頑張るんだよティナ
俺もその場にいるからね」
次に繋げるための大事な仕事だ…
ティナならできるよ信じているからね
「絶対にチケット入手しますね
みんなの為にもがんばります」
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燕尾服に着替えた俺は
スタッフとして潜入している
ステージでは何かしらのパフォーマンスをしている
VIP限定なだけあって有名人ばかりだな…
「…お兄さん、ちょっといいかしら?」
「はい、なんでしょうか?」
怪しまれたか?
潜入がバレたらティナに負担が…
「モデル界に興味はおありで?
是非とも素敵な世界だから
お兄さんなら必ずそこで輝けるわ」
またこんなお誘いか…
ハハ… 昔からずっと声をかけられるな…
「申し訳ございません
現在の職が充実し満足していますので
そちらの世界には興味がありません」
足早にその場を去る
こんなおじさんのどこがいいんだろね…
するとクラブ内の空気が変わる
ステージには美しい踊り子が入ってきた
神様が創った美の最高峰だねティナは…