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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第8章 冷静なリーダーと嬌艶な夜


ホールさんは部屋に入りドアを閉める


「お世辞じゃないんだけどね…
ここの誰よりも綺麗だよティナ」


「褒めても何も出ませんよ
何か用件あったりするんですか?」


「最後の確認だけしたいと思ってね
ターゲットはこの政治家だ
この人に気に入られるようような
パフォーマンスで頼むよ」


少しぶよぶよ… と言ったら失礼だろうか
そんな感じの黒髪の男性がターゲット


「わかりました
909でも似たような任務あったので
そこは問題ないかと」


「それは良かった
それと…
ティナのお兄さんからキツく言われたんだが
何かあったら俺が絶対に助けるからね
無理そうならすぐに俺を呼ぶんだよ?」


くらっ…


黒髪のイケメンに至近距離で
『俺が絶対に助ける』なんて言われたら…
性別関係なく全人類惚れるよ…


「なんか、すみません
お気遣いをありがとうございます
レンは心配性ですからね
909の時もこの類の任務をする時
同じセリフ言われてましたずっと」


レンは昔と変わらないんだなぁ
ハハハ、と笑いながら礼を述べる


「それは…
ティナはこんなにも綺麗なんだから
レンが毎回言うのもわかるよ…」


小声でホールさんが何か言ったが聞こえない


「なんて言いましたか?」


「…! いや、何でもないただの独り言だよ
じゃあ俺もそろそろ着替えたりしなきゃな
ティナから何かあるかい?」


ホールさんどんな服着るんだろう…
ウェイターなら燕尾服か…
これは是非ともお目にかかりたいところだ


「いや私は特に…… あっ
ホールさんって髪のセット出来たりしますか?
よかったら私のやってほしいんですけど…」


「少しくらいならできるかな…
俺でいいのかい?」


もちろん イケメンですから


「是非、お願いします」


くるり、と鏡に向かって座りなおす
ホールさんは私のすぐ後ろに立つ


「ティナの髪はくりんくりんだね
可愛いね 髪の毛も柔らかくて女の子らしいよ」


ホールさんが私の髪を弄る


「そうですかね…?
エリオットなんかもほわほわしてますよね?
あと、フィルさんの髪には負けます」


「フィルの髪もとても綺麗だけど…
やっぱり女の子が一番じゃないかな」


にこにこと笑いながら
ホールさんは私の髪を整えていく
くせっ毛で扱いにくいはずなのに…
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