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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第5章 可愛げのあるドジと海上オークション


ティナとエリオットが乗っている
豪華客船が沈没すると知って
俺はすぐにヘリを飛ばした

日が落ちた海は暗くて何も見えない
時刻は21時を過ぎている
船の沈没が始まっているんだろう…
人が次々に海へと飛び込んでいる

2人は恐らく海に飛び込んでいる
それを探すも… 全く分からない
ヘリのライトを点灯して探すも
この広い海だ
おまけに暗闇ともなれば…


その時
暗闇の中でキラキラと輝いているものを見つけた
明るく輝いているのではなく
暗闇に調和するように美しく輝いている

不思議に思ってライトをあてる


「……!? ティナ、エリオット!!」


なんとそこには2人がいた
エリオットが必死にティナを抱き抱えている
そしてキラキラと輝いていたのは
青に紫のメッシュが入った
まるで夜空のようなティナの美しい髪だった
普段、こんなに輝いているのは
見たことがない…


慎重に2人の近くに着水する


「エリオット!ティナ!無事かい?!」


急いでドアを開ける


「ホールさ〜〜ん!!
ティナ…、ティナが〜!!!」


ぐったりとしているティナを見て
俺は命を落としたのかとさえ思った


「息はあるんでけど〜…!
このままじゃ死んじゃいそうです〜…!!」


エリオットが
ティナをヘリの中に入れるために近づく
俺はそのままティナを抱き抱えて
ヘリの中に入れる

脈は… ああ、まだあるね
身体が冷えきっている…
俺は大きめのタオルをティナに被せる

女の子に… こんな風になって欲しくなかった
しかもまだ16だ…


「ティナ… すまない…」


俺がどんだけ謝っても
ティナの長いまつ毛はピクリとも動かない

こんな事、不謹慎だが、俺は不覚にも…
目を覚まさないティナが
人間とは思えない程に美しかった
そっと冷たい頬に触れる 今なら…


「ホールさん…
僕がティナの面倒みますから〜…
急いでlexxに戻りましょう…!」


エリオットの言葉で我に返った


「ああ… そうだね
急いで医療再生班に連れていけば
ティナも目を覚ますだろうね…
エリオットは大丈夫かい?」


「僕は大丈夫なので〜…
ティナ… 女の子なのに… ごめんなさい…」


ああ…、エリオットもティナが女の子だと…
でも、エリオットの洞察力はずば抜けている
ティナと一緒に仕事をしなくとも
すぐにわかっただろう…
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