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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第5章 可愛げのあるドジと海上オークション


「でもナンル文字は解読されてないですよね〜…
その理由も分からなくもないですけどね〜」


「あっ、エリオット
左下の宝石を右に捻ってください
回転するみたいですよ
その次は右端の上を押して
その後に左端の渦巻き状の模様を撫でて…
ってどんだけめんどくさいんですかねこの扉」


「ティナ…? 急にどうしたんですか〜?」


「え? ナンル文字にそう記されているから
読み上げただけですけど…」


「え!? ナンル文字読めるんですか〜!?
考古学者の中でも解読不可能の
高度な文明の文字ですよ〜!?」


???
そういうものなのかな?
小さい頃に図書館にある
ナンル文字解読の本読んだんだけどな…
私でも読めるなら学者くらいから読めるよ


「そういう前振りはいらないですよ
とりあえず
左下の宝石を右に捻ってください」


私がナンル文字を解読して
エリオットがその動作をしていく


「…で、最後に両扉を押してください」


「はぁ〜疲れました〜
からくり多すぎですね〜この扉〜…」


エリオットが少しの力でポンと押すと
ビクともしなかった豪華な扉が
ひとりでに開く


「ティナやりました〜! 開きましたね〜!
僕たちは逃げましょ〜!」


扉が完全に開いたのを確認して
私とエリオットはその場を後にして
船の甲板へと向かって走った
21時まで残り数分…


ーーーーー


「見ましたか今の…?
ただ目立つ2人ではなくて
ナンル文字を解読して扉開けましたよ…」


「そうだな… ますます怪しい…
スパイの可能性もある
もしかしたら21時の計画が漏れて
あの2人に知られたかもしれない 追え」


「…かしこまりました」


ーーーーー


ガタン!!


甲板に走って向かっている途中で
大きな音がした


「これから沈没していくんでしょ〜ね〜…
セレブのお客さん達
逃げられるといいんですけどね〜」


「それは仕事じゃないから祈るだけですよね」


心地よい夜風が頬にあたる
暗闇に放り出されたようだ
黒い海に豪華客船が
不自然に佇んでいるようにも感じられる


「ティナ〜大変です〜
この船、救命ボート0ですよ〜」


「沈没させる気満々ですね
泳いで岸まで行けますかね…
現在地がどこかもよくわらないですし
あと泳ぐの好きじゃないんですよ…」


「逃がしませんよそこの2人」
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