第5章 可愛げのあるドジと海上オークション
「だから俺は逃げ出したんだ
こんな事するためにZI7に入ったわけじゃない
監視下にいた市民の中で
俺は1人の女に恋におちた…
それが、出品されてた女性、ルナだ」
「…?
何故、好きな人を出品したんです〜?
悪い人に買われたら殺されますよ〜?」
「そのリスクもあったが…
俺はルナと一緒に国から逃げ出した
俺はZI7を捨てルナと生きると決めた
でも、ZI7はそんなことは許さない
俺を捕まえてルナもまた窮屈な日々を過ごすことになる…
それなら、良いセレブに買われて
幸せな人生を送って欲しかったんだ…
あんなに美しい女性なら
大切にしてくれる人がいるはずだ…」
そう言ってターゲットは涙を流す
本当はいい人かもしれない…
この人の目を見ればわかる…
「貴方も苦労していたんですね〜…
すみません〜もう一ついいですか〜?
『ネシス』って人物はZI7にいましたか〜?」
…! そう言えばそうだ!
元ZI7の人から聞けるなんてそうそう無い
エリオット、ナイス!
「ネシスか…?
ZI7で知らない人なんていないと思うが…
俺と同期なのに
幹部の上層部にまで出世してるぞ
ちなみに得意分野は情報処理…」
「「本当ですか!?!?!?」」
得意分野は情報処理って…!
間違えない、ネシスさんだ…!
噂は本当だった…!
「あのっ、ちょっと待ってくださ〜い!
幹部の上層部って、辞めるに辞めれませんよね?
どうやってZI7からいなくなったんです〜?」
確かに…
lexxでも
クロス総司令官の補佐やってるくらいだし
「え…? ネシスはZI7辞めたのか?
そんなのは知らないな…
俺が逃げたのは半年前だ
その時も普通にいたけどな…
最近辞めたのか?」
え…
そんなまさか…
まさか…
噂は〝元〟ZI7のはずじゃ…
「おかしいですね… これじゃ…
ZI7とlexxの時期が… 被っていますね…」
「ネシスさん… 二重スパイ…」
嘘だ…
クロス総司令官の補佐もしているのに…
よりによって情報処理班のリーダー…
「おいおいちょっと待てよ
ネシスが二重スパイ…?!
ZI7に殺されるぞ?
どこだ?でもティナもここに仕事でいるなら
909にもいるのかネシスは?」
「いえ…
ZI7の襲撃を受けて私は909から逃げて
今はlexxにいます…」