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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第5章 可愛げのあるドジと海上オークション


「ああっ!もう!クソッ!!」


宿泊部屋に入るなりティナは
スーツの上着を脱ぎ捨て
普段からは想像できない言葉を放つ


「あと少しで… あいつを…!
ああ!何故逃げると気づけなかった!!」


同じ空間にいるのは僕とティナだけ
だからといって
僕に文句を言っているわけではなくて
ティナ自身に言っている感じで〜…


僕は冷蔵庫からお水をとって
ティナに差し出します


「どうぞ… 喉乾きませんか…?」


ティナと過ごしてまだ日は経っていませんが
ここまで怒りをみせるのも
なかなかありませんね…

ティナの元いた国や
ZI7関連となった時も
気を乱していましたから〜

…僕じゃ考えられないくらいの恨みが
ティナの中で
怒りに変わっているんでしょうかね〜…

端正な顔が歪み
怒りを見せるのは迫力が違います…
ティナもそのうちの1人だと思います〜…

青に紫、まるで夜空を思わせる髪色に
綺麗な透き通った紫色
それと対象的な血を連想させる紅色

紅い色の瞳で睨まれたら
殺気が増して殺されそうです…

そんな美しい顔を歪ませていたティナが
水を差し出した僕と目が合います

最初は殺気を放っていましたが
徐々に落ち着いてきたみたいで〜


「…ああ、エリオット…
私…、その取り乱しちゃって…
迷惑かけてごめなさい……」


ティナの長いまつ毛が
申し訳なさそうに震えてます


「ティナはまだ16歳くらい…
といったところですよね〜
僕は詳しい事は全くわかりませんが
ティナだけが
全て背負わなくてもいいんですよ〜…!」


僕は人の心も容易く読み取ってしまいます…
昔から…
だから今、どうするのが最善なのか
穏便に事が運べるのか
僕もそこそこ生きていますからね!
といってもティナの6つ上の22ですけどね〜


「…ふふっ、ありがとうエリオット
よしっ、まだ豪華客船の旅は終わらないから
明日も頑張ろう!!よしっ!!」


自分を取り戻したみたいで良かったです〜!
ターゲットは誰だか判明はしましたから〜


…こうやって、無邪気に笑っているティナは
年相応の女の子ですね〜

…少しドキッとしたのは内緒です
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