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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第5章 可愛げのあるドジと海上オークション


何も進展がないまま
2日目夜のオークションが開催される
会場の席についてターゲットを探す

…やはり人が多すぎて見つからない


「昨日と同じように
匿名で出品してくれたらいいんですけどね〜」


「もう少し照明明るくして欲しいですよね
無駄に暗すぎますよ客席…」


エリオットと不安を言いながらも
ターゲットを探す
全く見つからない…
ついに、オークションも終盤になってしまった


「ティナ〜…
次で最後の出品らしいですよ〜…」


「なんとしてでも見つけます
このまま無しなんて…!」


私の国を知っている人だ…
必ず見つけて…


「本日最後はこちらの商品です!
さあ、早く出てきなさい。
まぁ、抵抗しないだけマシですね。」


何だろう… 動物…?
鎖を引きずる音も聞こえる…


「最後はこちらの少女が商品です!
奴隷にするもよし!ペットにするもよし!
愛人、子供、召使い、
それは落札した方が好きなようにできます!」


そこには、色白でブロンドの髪の美しい少女が鎖で繋がれていた…


「まさかとか思ってましたけど
人間も商品になってたんですね〜…
良い人に落札される事を
願うしかできませんね〜…」


良い人というのは、
その美しい少女を
家族や召使いなどと迎え入れてくれる人だ
最悪の場合、落札された瞬間に
落札者に殺されるかもしれない…


本当に美しい少女なのに…
歳は私よりも少し上といった所か…

すると、
今まで下を向いていた少女が顔を上げる
その整った顔立ちに
魅入っていたら目が合った

エリオットは不思議そうに私を見ている


「ティナ…? どうしたんです〜…?」


質問されるが私も分からない

すると少女は静かに涙を流しーーー


右膝を立てて屈み
右手を胸にあて
顔を伏せた
そして、何か言葉を放っている…
口の動きから…

「我は永遠(とわ)にーー」



…!!!!!!


この一連の少女の動きは…!!!


「ティナ〜、ティナ?
本当にどうしたんですか〜?」


「わ……、…にの……」


駄目だ
涙が止まらない
少女が流した涙のように美しくはないが


「私の元いた国の人です…」



まさか……
消滅させられた後に…
市民の方が生きているなんて…
私たちより早くに犠牲になったのに……
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