• テキストサイズ

突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第5章 可愛げのあるドジと海上オークション


「ZI7…」


「ティナ〜…? 今なんて…」


「ZI7絡みですあのネックレスは!
出品者… 出品者は誰なんですか!」


私の中の閃きが1つの線になり繋がる
もちろんエリオットはまだ理解できていない
これが分かるのは私とレンだけだろう…


「どういう事なんです〜…?」


「このイヤーカフは私の元いた国の職人が作ったオーダーメイド品でネックレスも同様です。
そして、国はZI7に乗っ取られましたから
ネックレスも国にありましたが所有はZI7でした。
…しかし今ここにあるという事は、
ZI7の人間が出品者という事なんですよ…!」


過去の故国の記憶… ZI7…
焦りを感じて早口で説明してしまう
エリオットは色々と驚いていたが
私の状態をみて何も聞いてはこなかった

会場がざわざわする中
司会者の声が響く


「ちなみにこちらの商品だけは
お客様の中から匿名で出品されています!
欲しい方は札をあげてください!」


出品者はこの中…!?
だとしたら…!


「ティナ、集中しましょう〜…
今日1番の大仕事ですから〜」


そう言いつつエリオットは
何千人というセレブの中から
ネックレスの出品者探し始めていた
私も頑張るしかない…!

札をあげている人の表情、意思
その様子を傍観する人の視線
もしかしたら司会者が
出品者を見つけているかもしれないから
司会者の視線も追う




ダメだ 暗すぎてハッキリ分からない…
どうしよう… もう二度とないチャンスだ
ここでターゲットを見つけなければ…!



ふと、1人の男性が目にとまる

周囲の品がありながらも
競りに興奮するお客さんとは少し違う
札はあげずに、ネックレスを見たり
どんどんあげられていく金額を聞き
怯えている…?
普通、札をあげない人は上昇する金額を聞いて
驚き、興奮の微表情を見せるはずだが…

もしかして…


「「恐怖の微表情…」」


エリオットも全く同じ事を言った
という事はエリオットと同じ人をマークしている

ほぼ間違いないだろう
エリオットと顔を見合わせる


「この落札で今日は最後ですね〜…
接触を図りたい所です〜」


「私もそう思っています…」


「322番が850万コナーで落札です!
本日はこれにて終了です
また明日お会いしましょう!」

司会の最後の挨拶を終え私たちはすぐに席を立った
/ 172ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp