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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第5章 可愛げのあるドジと海上オークション


10万コナーから始まった最初の競り
もちろん落札するのは仕事ではないので
私たちは番号の書いてある札を上げずに
ターゲットを探す事だけに集中するが…


「全く分からない…」


会場の客席が暗いのもあるが検討もつかない
何か情報があれば…
最初から少なすぎるんだよな…


一方、オークションの金額はというと


「467番から600万コナーがでました!
よろしいでしょうか?」


600万コナー!? 別荘数軒分…
467番のセレブはとても満足そうな顔をしている
他に誰もいなければこの人が落札できーー


「…1000万コナー」


会場が少し鎮まったのを見計らって
セレブなおじ様が1057番の札をあげた…
会場の視線が一気に集中する


「でました!1000万コナーです!
他の皆様はよろしいでしょうか?
落札決定になります!
タルームの絵画を1000万コナーで落札です!」


会場全体が拍手に包まれる
1000万コナー… 別荘増えた…


「僕、お仕事だから
このオークションいますけど〜
プライベートだったら
一生縁がないと思います〜…」


「私も今回で最初で最後の
とんでもないオークションだと思います…」


最初の落札で圧倒されたが
この後も世に出回らないような
高額な品々が落札される

かなり時間は経っているが
ターゲットが未だに見つけなれない…
どうすれば…!


「次の商品で今晩最後となります。
最後の商品はこのネックレスになります!」


遠くから見ると全く見えないので
プロジェクターに大きく映し出される…


…ん?
このネックレスとても見覚えのある気がする…?


「ティナ…」


エリオットが私の耳に触れて
イヤーカフをそっと撫でる
左を向くと、暗くてハッキリとは見えないが
とても真剣な眼差しで
こちらを見つめてくるエリオット…
整った色素の薄い顔立ちに緑の瞳

まるでその瞳に吸い込まれてしまいそう


…いや、ダメだ仕事だ
エリオットは友達という設定を貫かなければ


「あの…何か…?」


「似ています… ティナのとネックレスが」


…!
わかった!そういう事か!
このイヤーカフと
落札されようとしているネックレスは
同じ人が作ったものだ!

でもこのイヤーカフはオーダーメイド品
それも私の元いた国の職人が作ってくれたもの

…という事は
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