第5章 可愛げのあるドジと海上オークション
私たちはそのままディナーをとる事にした
会場に向かうと前方に大きなステージがあり
雰囲気にあった演奏をしている
「本日はフルコースになります。
どうぞごゆっくり…」
ウェイターが席まで案内してくれて
料理が運ばれるのを待つ
「お仕事ですけど
フルコースなんてラッキーですよね〜!」
「私も普段食べないから楽しみです!」
「あっ、そういえば気になることが…」
えっ、なんだろう…?
まさか、ターゲットらしき人を見つけーー
「さっきのウェイターさんは
奥さんと喧嘩中でしたよね〜」
?????
「それはどういう…?」
「悲しみと怒りの微表情を一瞬見せたので〜
後、相当疲れてるんでしょうね〜
彼の手がむくんでで
薬指に指輪の跡がありましたから〜
普段は仲の良い奥さんと喧嘩をして
指輪外しちゃったんでしょ〜ねっ!ティナ?」
「えっ… でも一瞬でしたよね?」
そう… たった一瞬だった
私はこれっぽっちも…
「あ〜… なんか僕昔からの癖で
人の事じろじろ見ちゃうんですよ〜」
……!
わかった…
何故エリオットがlexxに入れたのか
「両親がお店やってて
ウェイターとして働いてる時も
こんな感じで、お客さんを見てたら〜
1人スパイっぽい人見つけちゃって〜…
怖くて避けてたら声を掛けられて…
『lexxに来てみな〜い?』って!
まぁその人
クロス総司令官だったんですけどね〜!」
人並み以上…
いや、人よりとても優れている〝洞察力〟
これをクロス総司令官も見抜いたから
一般人だったエリオットをココに入れたんだ
そして、ターゲット不明のこの仕事も
洞察力が優れているエリオットだからこそ
適任だといえるーーー
「あっ、料理来たみたいですよ〜!
早く食べたいですね〜♪」
いつもと変わらずニコニコして明るいが
洞察力が人より優れているなんて思わなかった…
エリオットには皆、油断するだろう…
それなのにこの洞察力…
「こちら、前菜になります。
お召し上がりくださいませ。」
さっきのウェイターさんが指輪をして…る!
去った後に笑顔のエリオットが
「彼、とても嬉しそうでしたね!
口角が上がっていましたから〜
仲直りできて良かったです〜!」
私もこの無謀な仕事ができる気がして
自分の口角が上がっていたかもしれない…