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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第5章 可愛げのあるドジと海上オークション


私たちはオークション会場を後にして
宿泊部屋に向かう

エリオットさんとは友人設定だから同じ部屋だ…
あぁ… 何故また…


「ティナ〜 気になった事があるんですけど〜」


まさか、ターゲット関連…!?
私は何もわからなかった…


「何ですか?エリオットさん…?」


「それです〜! さん付けはダメですよ〜
友人設定なのにそれは疑われちゃいます〜」


あぁ… 確かに…


「じゃあ今回の仕事だけエリオットで…
お願いします…」


エリオットはニコッと笑ってこちらを見ている
うわあ… 破壊力…
そしてとても嬉しそうだ…


「別にずっとでもいいんですけどね〜
よろしくお願いしますねっティナ〜!」


目の前にとんでもない破壊力の笑顔が…
でも眠すぎる…
今座っているのはふかふかのベッド…
窓から陽が差し込んでいる中
私は睡魔に負けてそのまま倒れて寝てしまった








ふと、目を覚ます
波の音が継続的に聞こえる
あぁ… もう出航したのか
窓の外からは夕日が綺麗だな
地平線に沈みそうで…絵になるなぁ…



ん?夕日…?

急いで時計を見ると5時を過ぎていた
隣を見ると
エリオットも気持ち良さそうに寝ている
茶髪が夕日に照らされて美しく輝いている…
私の髪の色じゃこんな事はできない…


「エリオット… ぼちぼち仕事しましょう…」


ゆさゆさと起こしてみると
ゆっくりと目を開けてぼーっとしている
焦点がまだ定まっていない緑色の瞳…
なんだろうこのイケメンは…
何もしていないのにカッコイイなんて


「確かティナが寝ちゃって、
僕も寝ちゃって…
あぁ、寝過ぎちゃったんですね〜…」


そう言ってまた寝ようとするエリオットさんを
そうはさせまいと揺さぶり起こした


「あぁ… わかりました…
お仕事… お仕事しますから起きます〜
テキトーに探検してからディナーにしましょ〜」


私たちは高級スーツの着崩れを直してから部屋を出た
たくさんのセレブ達が行き交っている…
聞こえてくるお金の額は桁違いだ
オークションこれで大丈夫なの…?

そして何より…


「ターゲットらしき人は分かりましたか〜?
僕はまだなにも〜…」


「私も検討がつきません…
性別が分かれば半分消えるんですけどね…」


ターゲットの情報が少なすぎるせいで
誰だか全くわからないのだ
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