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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第5章 可愛げのあるドジと海上オークション


乗っている間はエリオットさんと資料の確認をする
そうだな… まとめると…


・朝9時発の豪華客船は4泊5日の旅
・毎夜8時〜 オークションが計4回
・落札するのは乗客のセレブ達
・ターゲットの情報はZI7の事を知っているという情報のみ自力で探す
・私とエリオットさんは仲のいい友達でお互い金持ちの家柄という設定


「性別すらもわからないなんて
やっぱり面倒ですね〜…」


本当にその通りだと思う
でもどうやって見つけるのだろう…?
直接聞くなんて… まさか…ね…


「暫くかかりそうだから寝てても大丈夫だよ
着くのは現地時間の朝7時頃かな」


資料の中のセレブ達のリストは全員チェックした
だからこんなに分厚いのか…
やる事が無くなってしまったから
ここはお言葉に甘えて寝ていよう…











あつい……

熱いーーー

家が……屋敷が……

燃えて…る……


逃………て………

逃げ……………

逃げて…………

逃げてーーーーー


「この国はもうじき消滅を迎える。
ティナ、私のかわいい娘よーー
ここから逃げて私達の事は忘れるんだ。」

「このイヤーカフは代々伝わるものなのよ。
まだまだ小さいティナ…
お姉さんになったら似合うはずよ。」


待って…………父上…母上…………


私を置いていかないでーーーー










「…ティナ ティナ!! ティナ!!!!!」

ハッと目を覚ました
額には汗をかいているのが分かる
エリオットさんが私を揺さぶり起こしたようだ…


「突然うなされてどうなるかと思いました…
いい夢ではないと思って急いで起こしちゃいました……」


そう…夢
私の小さい頃の記憶、忘れる事の無い過去
なんで今この夢を見ちゃうんだ…


「すみません、迷惑でしたよね…
でも起こしてくれてありがとうございます。
気持ちの良い夢ではなかったです…」


「やっぱりそうですよね…
もうすぐ着くそうですよ
少しずつ準備してましょ〜」


いつか、レンと909のアステル最高官以外に
私の過去を知る事になる人はいるのだろうか

私の国は今存在しない事を知っているのかな










私の国を… 家族を… 全部消した組織は
〝ZI7〟という事を知る事になるだろうか
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