第5章 可愛げのあるドジと海上オークション
声も口調も似ている… もしかして…
「ホールの兄だよ。
いつも弟がお世話になっているね。」
やっぱり…!
「若い子2人が来るって聞いてたかね。
2人ともかわいいね…。
俺はもうおじさんになったからな…
ホールももう可愛くないからね…」
そう言って私の頭をポンポンってしてくれる
イケメンが笑うとこんなに素敵なのか…
「これから乗ってもらうのは
音速戦闘機になるよ。
もちろん操縦するのは俺だから、
事故は起きないし安心して欲しい。
ホールが海陸追跡班を去った後の
リーダーは俺がしているからね。」
リーダー… という事は成績は最優良…
そんな人が操縦したくれるなんて…
「わざわざ調査偵察班の為に…
ありがとうございます。」
「いいんだよ。調査偵察班は特別だし、
それに頑張っている弟の願いを
聞いてあげるのも兄の役目だろう♪」
兄弟仲がいいお2人なんだな…
…エリオットさんがずっとこっち見ているな
「私が高級スーツきたら似合わないですか?」
「ティナ…?何故そんな事を言うんですか?
とても似合ってますよ〜!
スーツもなんですけど
このイヤーカフがなんというか…
いつも見ているはずなんですけど
とても、似合っていて…
もしかしてブランド品だったりしますか?」
あぁ… このイヤーカフ…
これは世界に一つしかないオーダーメイド品
もう片方はレンが付けている…
この事はあまり詳しく言えない…
なんせ、私の元いたお国の事…
今は消滅してて極力話したくはない
私が親の仇をとり復活すればいずれーー
「俺もそのイヤーカフ見たことがあるな…
化学研究班に同じ物を付けてる人いないかい?
とても、君に似ている背の高い青年が…」
「レンの事ですか…? 私の兄です。」
こういう時どう説明すればいいかわからない
大体あっているだろう
「あぁ… 君のお兄さんか…
だから君もお兄さんも美しいんだね。
白衣で廊下を疾走中の美青年を見つけてね
一瞬だったけれど
イヤーカフが綺麗だったのは覚えているんだ
その後を女性陣が追いかけていて
『調査偵察班に取られなくて良かった!』
って言っていたよ… 彼も大変だね…」
「それは大変ですね…
僕もそれだけは
調査偵察班で良かったって思ってますから…」
取られる?何を?
まさかイケメン… なんてね!