第3章 俺様の自信家と暗殺
ティナに調査偵察班の事を話しているうちに
オリヴァーと昔話に華を咲かせ
ついつい2人で話し込んでしまった
おっと、ティナには全く理解できないような会話だろう…
操縦席から少し身を乗り出してティナの様子を伺う
こんなヘリ内だというのに
スヤスヤと気持ち良さそうに
疲れて寝ているね…
初仕事でこれは酷だったかな
それでもティナはオリヴァーとやり遂げてくれた
すごい女の子だ…
俺は何故かどこに配属されても
最優良という成績で
常に部署にリーダーになっている
願ってもないんだが…
オリヴァーとは俺が24の時に
仕事で訪れた国で出会った
燃えるような紅い髪が印象的で
きっと孤児であっただろう
整った顔立ちに殺気を放つ視線
直感でこの子を連れて帰ろうと思った
きっとlexxで良い成績を残してくれるはずだ
初めて会った少年にそんな事を思った
以来lexxに来てからも青年を過ぎるまで
俺がオリヴァーを世話をした
出会った頃のオリヴァーは
俺の事を「ホールさんっ!」なんて…
そんな可愛げは一切なくてね、
スラム街で命をかけて過ごしただろうから
暫く警戒されてしまっていたね
「なぁ、ホールちょっと聞きてーんだが…
なんでニヤニヤしてんだ気持ちわりぃな」
グレないで成長してくれて俺は嬉しいよ…
「すまないね。なんだい?」
オリヴァーは隣で寝ているティナを
じっと見たあとに
「ティナは本当に男なのか?
一昨日に渡された資料の通りに」
一瞬冷汗をかく 冷静を保て…
「疑っているんだね。女といいたいのかい?
オリヴァーも男だからね。職場も男ばかりだ
欲求不満で遂に幻想の女の子を作り出してしまったんだね可哀想に
俺が女性とのお付き合いの事を教えなかった為に…
すまないね…」
「なんでそーなんだよ!!!
俺が頭おかしいみてーじゃねーか!
勝手に決めつけんじゃねぇ!
欲求不満じゃねーし!!!」
おぉ… 間髪入れずに食いついてきたな…
何か理由があるのだろう
ティナは成績優良だからバレないと思ったんだけどな…
「そんなテキトーな理由じゃねーよ
筋肉のつき方とか、骨格もだしよ
男特有の匂いもしねーしな
まぁ、実力は男よりすげーけど
女を誘惑する技術とかもな」
やっぱりオリヴァーは見抜いていたのか
調査偵察班に選ばれただけある
敵わないな…