第3章 俺様の自信家と暗殺
「まぁ言ってくれるじゃない…♡」
「いつもお仕事大変ですよね…
おつかれ様です…
嫌なこととかありませんか?
僕で良ければ聴きますよ」
寄りかかった彼女の腰に手を回して
自分からも密着する
すると、彼女は話し始めてくれた
「今日も…
荷物を秘密の部屋に移動するとき…
ほんっとに… 人遣いが荒いんです…
秘密部屋は入るのが少し面倒で
3階にあるのに1階から入らなきゃだし…
荷物は全部私が運ばされたのに!!
殺されるかもしれないから
その時はお前が盾になれとか…」
これまた重要な情報を…
「それは… 酷いですね
こんなに綺麗な女性に力仕事をさせるなんて…」
「ちょっとボク〜!
私の事も相手してよぉ!
△△党の人達は
最近仲が悪くて私は窮屈なのぉ〜!
私も癒してぇ!」
「それは毎日大変ですね…
お姉さんはそれでも頑張っているから
強い女性ですね…♪」
今は隣のこの人から
さっさと情報を聞か出さねば…
夫が政治家の人は…
おっ、疲れて寝てるね
オリヴァーさんがいた方で
誰かが席を立った気配がした
こちらに向かってくる足音…
オリヴァーさんだ!
よし!もう帰れる!あと一押し!
「ちなみにその秘密部屋には
1階からどうやって入るんですか…?」
酔ってるから今なら教えてくれるだろう…
頼む…!
「1階の応接間の本棚を横にずらすの…
見た目に反して少しの力で動くの…
そしたら上に続く階段が見えるから…」
完璧だ! 大収穫だ!
私は彼女の腰から手を離して
その手でウェイターを呼んだ
「こちらの女性にブラッディメアリーを…」
そして
その手を誰かがパシッと掴んで私を立たせる
「待たせたな さっさと出るぞ」
先程、一緒に話した彼女たちは
有難い事に酔って寝ていた
「1ついいですか?オリヴァーさん
私の情報は大物ですよ…♪」
「そりゃすげーだろーな
俺も負けねぇくれーに大物収穫だけどな」
私たちは足早に店を出た
「席を立たれたお客様は
カクテル言葉をよくご存知で…」
ブラッディメアリーの
注文を受けたウェイターが
彼女たちのテーブルにそれを置く
〝断固して勝つ〟
もちろん、頼んだ16歳の少女は
恋愛的意味ではなく
明日起こるであろう、
出来事についての意味だーーー