第3章 俺様の自信家と暗殺
「僕、よく未成年に見られがちですが
成人してるので、お酒飲めますよ」
嘘です… 16歳の女です…
「じゃあ私たちとたくさん飲みましょう♡」
この人たちもう酔ってるかな…
近くにウェイターが通りかかったので
オーダーをする
「スクリュードライバーをお願いします
…ウォッカ無しで」
小さな声で
アルコールを抜いて貰えるよう頼んだ
ウォッカがないスクリュードライバーなんて
ただのオレンジジュース
だから大丈夫なはずだ
流石に酔うわけにはいかない
情報をきっちり聞き出すまでは
「何を頼んだのボク〜?」
「来てからのお楽しみですよ…♪」
頼んだカクテルを受け取る
「スクリュードライバーです
カクテル言葉をご存知ですか?」
「少ししか知らないわぁ…
なんせ、そんな事をしてくる
素敵な男性に巡り合わないもの〜」
相変わらずクネクネと動くな彼女たちは…
誘っているようだが
申し訳ない 私は背が少し高い女だ…
「〝貴方に心を奪われた〟ですよ…♪
それでは、乾杯…」
控えめに、目を合わして、
知的に微笑み、優雅に、
店内の照明が自分の目に反射する位置を確認し
オッドアイがキラキラするように魅せる
ネクタイを少し緩め肌を魅せる
これで、キュンキュンしてもらわなきゃ
困るんだよねぇ…
情報聞いて早くココ出たいな…
「あらやだ… それは素敵ね…」
有難い事に彼女たちは
私を見てうっとりしている
あぁ良かった、ありがとうございます
女が女を堕とすって…
まぁ、909にいた時もやった事あるし…
「お姉さんたちは
いつもどんなお仕事しているんですか?
いっそ、悩み事とか日頃のストレスとか
ここで吐き出してみては…?」
「そうね…
私はある政治家の妻なんだけどね
今日は主人が夜遅くまで仕事だから
寂しくてココに来ちゃったの…」
夫がいるのに
ココで私に媚び売っちゃダメでしょ
「私は△△党の幹部としていつも働いてるの…
いつも男ばかりでむさ苦しいけど
ボクは綺麗だからお持ち帰りしたいわぁ…♡」
おっ、ターゲットと同じ党の人だ!
話聞けるかな
「私も同じ△△党だけど
議員じゃなくて
✕✕さんの秘書をやってるのよ〜」
ターゲットの秘書だと…!?
これは千載一遇のチャンス…!