第13章 Party Next
1人で部屋を確認する
誰もいないと判断し
上へ上へと上がっていく
インカムからは何も聴こえない
私だけみんなと距離が離れすぎて
通信が途絶える
…なんて事はないはずなんだけどな
不思議なに思いながらも
最上階へ辿り着く
もちろんこの階も同様確認するが
誰もいない
ビルの屋上へ続く階段を上りドアを開ける
パーティーは昼間からやっていたというのに
辺りは暗かった
いつもより近く感じる夜空に
眼下にはキラキラと建物の灯りが見える
そして、このビルはとても高く
他の建物を見下ろすような形になる
少し冷えた夜風が肌をかすめる
屋上は風が強いのか
ドレスがパタパタとなびく
「はじめまして、ルミデウス国ティナ王女」
急いで声の方を振り返る
そして反射的に銃を構える
「…イビル」
そこには痩せこけた男性が
こちらに銃を向けている
その奥には小型のヘリがある
恐らくそれできたんだろう
瞬間的にイビルの脚を撃ち
動けなくしようと思って
引き金に手をかけるも
相手も思っている事は同じで
私より早く引き金を引いている
…避けなくては
そう思った時には
イビルから数発の銃声
予測はしていたのでそれをかわす
「思っていたより逞しい王女様のようだ
だって、誰もティナの事、口を割らないんだ
どんなに苦しめても、ね」
怒りが爆発的にこみあがる
目の前にいるコイツが
ルミデウス国を消滅した
「国民と父上と母上に何をした」
再び銃を構える
「そうだね
国民には拷問
王族には… 生き地獄 かな」
なんとでもない
という調子でペラペラと喋り続ける
「僕が国を燃やしたから
ルミデウス国の貴重な文献、資料は消えた
栄えた文明もそこでおしまい
…なのに1つだけ燃やされず
保護されているのが〝森羅万象の文明〟
王族専属の宝石職人が作った
アクセサリーが鍵だとわかった
そのアクセサリーに使われる石は
とても貴重なものだ
屋敷を探せばアクセサリーはたんまりあった
でも扉は開かない 鍵ではない
そして唯一逃げたティナ王女
絶対に何か知っているに違いない」
イビルは再び銃を構える
そして、相打ちに…