第13章 Party Next
暗いビル内を
オリヴァー、フィル、私の3人だけが走る
どこにいるかもわからないイビルを探す
「くそっ!どこにいんだよ!」
部屋を見て回るも
人らしき姿さえ見当たらない
そもそもイビルが
このビル内にいるかどうかも危うい
炎は下から徐々に上へと燃え広がり
私たちはどんどん上の階に移動する
「とりあえず
イビルがいるかもしんねーから
上の階に行くけどよ
本当に危ねーって思ったら
窓蹴破ってビルの壁つたって逃げるかんな」
「ええ、もちろんそのつもりですよ」
命綱をそれぞれ隠し持っているから
それを使えば急降下することなく
壁をつたって下まで降りられるだろう
「オリヴァー!フィル!
そろそろ上の階に行きましょう!」
炎が迫ってきて
上の階に行く事を余儀なくされる
私が先頭、続いてオリヴァーとフィルと
階段をかけ上がる
…と、その時
ガシャン!!!!!!
何かが落ちたような音がして
急いで後ろを振り向くと…
さっき通ったばかりの場所に
シェルターが…
「ティナ!!!!大丈夫か!!!無事か!!」
バンバンとオリヴァーがシェルターを叩く
オリヴァーとフィルは
シェルターの向う側
つまり私だけ切り離されたような形になる
「私は無事です!
オリヴァーとフィルは大丈夫ですか!!」
「突然シェルターが降りてきただけで
特にそれ以外のトラップはありませんが
炎が迫ってきてて逃げ場がありませんね」
…そんな! じゃあ2人は…!?
「ティナ!!いいか!!
イビル捕まえてーんだろ!!
もうティナしかいねーから
任せちまうけど、それでもいーか!!」
「幸いにもここに小窓がありますので
私とオリヴァーはここから逃げ出します」
2人が助かるようなら安心だ
「はい!もちろんそのつもりです!
オリヴァー、フィル、どうかご無事で…!」
その後、窓ガラスが割れる音がした
きっと2人は無事に地上に降りられるだろう
…恐らくここは30階くらい
1人でカツ、カツ、と
ローヒールを響かせながら
廊下を歩く
私とオリヴァー、フィルを隔たせたシェルターが
下から迫る炎を遮り
この階には炎が来ない
安全地帯と言うべきなのか
死なせずに生かしたまま
私を捕らえたいZI7にとっては
それはもう計算済みの罠なのか