• テキストサイズ

突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第13章 Party Next


「おい、1つ言ってもいーか」


ダンスホールに向かいながら
オリヴァーが私に聞いてきた


「ティナはよく女を落とすくせに
その逆は慣れてねーのかよ」


「その逆といいますと…?」


「ティナが女で男に落とされるって事だ」


「そうですね…
909の時から自分が男として
女性を惚れされる任務の方が多かったので」


そう言われてみればそうかもしれない
私が女性の顎を上に向かせるなんて事は容易い


「まぁ、それにしてもだな…
少しくらいは照れたりしねーのかよティナは」


「え?いやいや、
これでもドキドキしてますよ」


「そこは可愛く顔を赤くした方が女っぽいけどな」


「ごめんなさい
そういう反応にはちょっと無縁でして」


内心ではもちろんドキドキするし
カッコイイとも思う

でも、特にそれが顔に出る事はあまり無い
仕事って割り切っているからかな…


「おっ、着いたぞ
他の参加者に混じって
俺とティナもペアでダンスだ
不自然なく周りが見渡せるからな」


なるほど!そういう事か!
確かに何もせずキョロキョロするより
ダンスなら周りを見渡せる


『ティナ、オリヴァー、エリオット
聴こえますか? 私ですが』


インカムからフィルの声が聴こえる


「おお、どうしたフィル なんかあったか」


『ホールさんから連絡が一切こないのですが
どなたかご一緒してたりしてませんか?』


確かに、少し前から
ホールさんからの連絡がこない


「私は見ていないのですが
確か立ち入り禁止ゾーンにいるんですよね?」


『ええ、そうなのですが
約束された時間を過ぎても連絡がこないので…
何事もなければ良いのですが』


ホールさんの事だから
仕事で失敗する事は無さそうだけど…


「分かった
後で全員でホールを探そうぜ
俺らは今からダンスするから
適当に周り見とくからよ」


「…ホールさん大丈夫ですかね?」


「俺はホールと長い間一緒にいるけどな
失敗する所なんて見た事ねーよ
だから大丈夫だ

まぁ、とりあえず今はだな…」


隣にいたオリヴァーが
私の前にスッと移動して跪く
そして、私の手をとり…


「ティナ、俺と一緒に踊ってくれるよな?」


急に落ち着いた声で
オリヴァーと見つめ合う

これだからイケメンは…


「ええ、喜んでオリヴァー」
/ 172ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp