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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第13章 Party Next


気がついた時には口の中に
カカオの香ばしさと甘すぎない味が広がっていた

そして、口の中の温かさで
少しずつ溶けていくチョコレート


…よりも、
エリオットの長い指が
私の唇に触れている部分の方が
熱を持っている気がする


「甘すぎないから
何個でも食べちゃいそ〜ですよね〜!」


弾けるような笑顔のエリオット

でも、私はそれどころではない
エリオットがチョコレートを持って
私の口に入れたのだ…
しかも、まだ指触れてる…!


「なんで… 急に…」


「本当はあ〜んってして欲しかったんですけど〜
流石にティナはやってくれないと思ったので〜
問答無用で口の中に入れた方が
早いと思ったんで〜す!」


そう言って、唇から指を離すエリオット
指先に付いたチョコレートを
ペロンと舐めてる

そして、ふと目が合うと
何か企んでいるような怪しい笑みを見せる


「ティナのグロスも少し付いちゃいました〜
ん〜… チョコレートは甘いんですけど〜
これはよく分かんないですよね〜

…でも美味しそうですよね
味見してもいいですか?ティナ?」


いつの間にか距離を詰めて
エリオットが私の顎を上に向かせる

怪しい微笑みで逃げられない
いつもとまるで違う雰囲気にのみこまれ

ゆっくりと顔が近づいて……




バッチーン!!!


「!?!?!?」


「いっっったいじゃないですか〜〜!!!
オリヴァー!!!
雰囲気考えてくださいよ〜!!!」


息を切らしたオリヴァーが
エリオットの背中を思いっきり叩いたらしい…


「ティナ、探したんだぞ
ダンスが始まるらしいからそっち行くぞ」


まだ心臓のドキドキが鳴り止まない私を
オリヴァーはスマートにエスコートしてくれる


「ずるいじゃないですか〜!
僕もティナと…」


エリオットが私たちを追おうとした時
周囲にはイケメンに目を光らせ
ロックオンしている女性が…


「お兄さんはたくさん料理をとっていますね
1人じゃ食べきれないでしょう?
私がご一緒しても?」


ああ…
それは私が欲張ってたくさんとったから…
ごめんエリオット…


「えぇ!?
いやでも、これは僕が選んできたわけじゃ…」


「ならば、私が食べさせてあげますよ
さあさあ、お座りになって♡」


本当にごめんエリオット…
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