第13章 Party Next
「わっ、わあ!!!」
近くにいた別の人がつまづいて
私に寄りかかる形になる
えぇ… なんかツイてないな…
「すみません…! お怪我ありませんか〜?」
つまづいた男性が私に話しかける
視界に入ったのは見覚えのある茶髪に
聞きなれた声
「怪我はないみたいですね〜!
安心しました〜!」
顔をあげた男性とパチりと目が合う
綺麗な緑の瞳の…
「ああ!大変です〜!
僕のワインがお姉さんのドレスに
付いちゃったみたいですね…
汚れを落とすので、こっちに来てくださいね〜!」
いや、嘘だ
エリオットが器用に転んでくれたから
ワインなんて付いていない
…でも、離れる口実ができるなら
「じゃあ、お願いします
それでは、失礼しますね」
「えっ!? 待って!お嬢さん!」
エリオットはすかさず私の腰に腕を回し
男性から離れていく
「エリオットありがとうございます…!
私1人じゃ、どうにもできなくて…」
「も〜、ティナを1人にさせるなんて
オリヴァーは何やってるんですか〜?」
エリオットに若干の怒りがある気がするけど
助けてくれて良かった…
「いや、それが…」
私はオリヴァーの方に視線を向けると
エリオットも追ってその方向を見る
「あ〜… あれはお疲れ様ですね〜
ティナ〜!
美人女優に逆ナンされてるオリヴァーか
ティナを助けた僕か
どっちと食事したいですか〜?」
「え…?
オリヴァーが待っててくれてるんですけど…」
でも、今私がオリヴァーと会った所で
美人女優が退く気配はない
「まぁ、オリヴァーは自業自得ということで〜
僕の方がいいですよね〜!
この席空いてますよ〜!」
何故かエリオットと食事をとることになる
オリヴァー… ごめん…
自力でなんとかして…
「そういえば
フィルとホールさんはどこにいるんですか?」
「フィルと僕が会場の様子見で〜
ホールさんが立ち入り禁止ゾーンの
確認をしてますよ〜」
ああ、なるほど…
だからエリオットが助けてくれたんだ
「ティナ〜!
このチョコレートとっても美味しいですよ〜!」
私が持ってきた料理を
幸せな表情で食べるエリオット
イケメンは、心が満たされる…
「私まだ食べてないから、次食べますね」
「えぇ!? そんなんですか〜?
じゃ〜 ど〜ぞ!」