• テキストサイズ

突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第13章 Party Next


車が止まる

俺は車を降りて反対側のドアを開ける


「ほら、行くぞ 掴まれよ」


「イケメンのくせして
エスコートも出来るなんて
神様は不平等だよ」


「はぁ? ごちゃごちゃ言ってねーで行くぞ」


ドレスアップしたティナの手をとる
男装している普段でも顔が整っていて
美青年という言葉がお似合いなティナが
本気出してこうともなれば…

神ってのがいるとしたら
ティナに色々与えすぎだろ


大体
パーティーなんて昼からやるもんじゃねーだろ

ZI7は何考えてんだかわかんねーな


『ティナ、オリヴァー
そのまま受付で招待状を渡して
会場の中に入ってくれ』


インカムからホールの声が聴こえる

こういう仕事は何回かしたことがある
同伴者で別の女をエスコートした時もある

…ただそれが本当にめんどくせー

『今日は1段とかっこいいわ』

『ねぇ、キスしない? 仕事?
周りに溶け込まないと… ねぇ?』

『もう、お願いだから個室に行かない?
みんなやってくれるわよ…』

どいつもこいつも仕事の邪魔しやがって
別にお前なんて仕事相手の同伴者だ
好きでもなんでもねーよ


「オリヴァー
今日の事ずっと考えたんですけど…」


は? まさかティナも…


「ナメクジの素揚げってありますかね?」


「ぶっ… あっはははは!!!
ティナ流石すぎんだろ!!!」


「え!? そんな笑わないでください!」


パーティーに行く女が
ナメクジの素揚げなんて
考えねーだろ!普通!

やっぱ、ティナは今までの奴とちげーんだよな


「ナメクジの素揚げだって?
ぜってー、ねーだろーな!!」


『オリヴァー!!うるさい!!
無駄に注目されるんじゃない!』


「ほら、ホールさんに怒られてますよ」


俺より少し背の低い
ティナの横顔をチラって見ると
いつもよりも女性らしく
グロスを塗って艶めいた唇を見てしまう


「どうしたんですか?
もうすぐ受付ですよ 招待状ありますか?」


「…あっ、ああ ほらよ
ちゃんとあるから問題ねーよ」


こんなの可愛いすぎんだろ…
本当にホールが同伴者だったら
何するかわかんねーな…

フィルもしれっとキスしそうだな…


「同伴者が俺で良かったな」


「え?突然ですね
まぁ、誰でも良かったんですけどね」
/ 172ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp