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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第11章 眠り姫の生き様


突然の出来事すぎて処理が追いつかない
ZI7に誘拐されたと思った

ああ… 逃げてと言われたのに…
こんな簡単に捕まってしまっては
父上と母上になんて言えばいいのか…


気がつけば私はカプセルの中に入れられていた
そして液体が入ってくる

これはなんだろう… 水?激薬?

考えるよりも睡魔が勝ってしまう…




再び目を開けると
自分が液体の中にいると理解できた
視界がボヤけて細かく見えないが
カプセルの外から私を眺めている人間が1人いる

そして、自分の体のあちこちに
チューブが付いている
全身が謎の液体に浸かっていても
息はできる

そして、何故か心地いい…

また目を閉じて眠ってしまう…


















久しぶりに浮遊以外の感覚になる
固いものに張り付いている感覚…

ああ、なんか久しぶりだな…


意識が朦朧とするなか聞き覚えのある声


「ティナッ、生きてた…!」


ん… レン?

レンに抱えられて何処かへ連れていかれる
私はどうなっているんだろう…?














「ティナ…? よかった…
1年も手紙が来ないから…」


気がつけば目の前にレンがいる


「1年…?」


「そうだよ…
1年もティナはカプセルの中にいたんだよ」


レンがそう伝えてくれるも実感がわかない


「ティナ、今自分が何歳かわかる?」


「わからない…」


「7歳だよ だから僕は8歳」


「レンの…ご両親… 叔父様と叔母様は…?」


「父上と母上とは縁を切ったよ
ティナの事が心配でそれ以外考えられなかった
だから父上と母上が僕を探してくる事は無い」


「そんな… なんで…」


「ティナの事が1番なんだよ 好きだから」


そんな… そこまでして家族と縁を切るなんて


「ん…? これは何? イヤーカフ?」


「そう…だよ これすごく付けづらいの
母上が逃げる直前に持たせてくれた大事なの
レンに片方あげる…」


「え… これ僕貰っていいの?
ありがと… うわっ、ほんとだ付けにくい…」


そう言ってレンは右耳にイヤーカフを付ける

私はまだ意識が朦朧として
ぐったりする事しかできない


そして日が過ぎる

レンは私を守りながら食料を調達する

…のにも限界がきた


私の意識は未だ回復しない
私もレンも餓死しそうだ
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