第9章 非化学的に証明
来年の卒業式も来ると約束をし
2人で歩く
「アステルはな〜んで進路決めてないの〜?」
こんな自由な俺でさえ進路は決めた
まぁ、諜報機関lexxだから
そういう職についたら
原則秘密にしなきゃいけないから
誰にも進路は言ってないけどね〜
「安心しろ、もう決まっている」
決まっている?
そんなの嘘だ
首席は色んな所から声がかかる
俺もその内の1人だった
俺はその中からより論文や資料が多く
薬品の充実度、実績からlexxを選んだ
アステルは俺の倍以上の誘いを受けていた
こんなお堅い性格だから
誠実にも見えたんだろうね〜
なのに全部断った
俺でもしないけどね〜
「俺がどこかの機関の人員として
働かされるのは気に食わない」
「みんなそ〜んなもんじゃないの?」
「そうじゃない人間もいる
私は秘密機関の創設者になる」
「え?冗談とか言わない人じゃ〜ん
あと、俺に言った時点で秘密機関じゃなくなってるね〜」
「クロス、真面目に聞け
私たちは誰かに指図されるような人間じゃない」
「…というと〜?」
「上に立つ人間だ
私はクロスの進路は知らない
まぁ、誰にも教えてないんだろうから
秘密機関へ行くんだろう?
そこから這い上がって上の人間になれ」
「なってど〜するの〜?
俺は特に興味ないなぁ〜」
「世界の秩序を保つんだ」
「え〜…
アステルは断り続けてた時に
夢小説を読んでいたの〜?
ますます面白いね〜」
「辞めろクロス
そして少しずつ距離を離れるのも辞めろ
本気だ
歴学を通して私はそう思ったんだ
世界が平和になれば
あらゆる事が穏便かつスムーズに事が進む
それを実行出来るのは私とクロスだ」
「ほ〜ん…」
興味ないな〜
まぁ、大切な人だからアステルは
そんなお願いを聞いてあげてもいいかな〜
「じゃあ俺は機関のトップの座につくよ〜」
「ああ私ももうすぐそうなる
私が機関を創設するからな
創設者こそトップの人間だ」
世界のエリート校に
二年連続首席は早々いない
そんな2人はこんな約束をしていた…
ーーー
「1年ぶりだねアステル〜」
「1年じゃ変わらないなクロス」
イビルの卒業式を見送るために
再び学院に訪れた
俺たちに続いて二年連続首席のイビルも
色んな所から誘いを受けたのだろう