第5章 いつでもどこでも
そして深夜
「宇菜ちゃん、そろそろ時間だね」
ベランダに出て空を見上げる
新月のためか、星がよく見える夜だった
これなら流れ星もたくさん見れそうだ
そんな時、キラッと一筋の光が現れ消えていく
「あっ、今!」
「うん。見えたね」
眠気を我慢してまで見る価値のあるものだった
そしてそれを皮切りに流れ星がちらほらと現れるようになっていた
「す、すごいよ大和くん!流れ星…こんなに見たの始めて!」
「ホントだね。ちゃんとお願い事しなきゃ」
大和に言われ宇菜は思い出したように心の中で願いを唱える
…大和くんと、ずっと一緒にいられますように
何度も何度もお願いしていると、横で大和が吹き出す
「や、大和くん?」
「あぁ。ごめんごめん。宇菜ちゃんがあまりにも真剣だから」
必死になりすぎたのか、笑われてしまった
「ねぇ、何をお願いしたの?」
不意に耳元で囁かれ胸がドキドキした