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あの子はいとこ【R18】

第1章 帰って来た従兄弟




それから数日…


大和は頻繁に宇菜の家を訪れるようになっていた


葉子が仕事で不在にすることが多く、食事を一緒に取るのが普通の状態だ



大和の父親はまだオーストラリアにいるらしい


今回は葉子が日本への転勤が決まり、それに大和が付いてきた形となったようだ



「大和くんも大変よね。中学三年で学校が変わるなんて」


「いえ。僕はなるべく早く日本に戻ってきたかったので」


「でもすぐに受験よ?大変じゃない」



とある夕食の時間

明子と大和の話を聞きながらも、宇菜はテレビから流れるニュースを見ていた


ぼんやりしていると不意に宇菜に声がかかる



「宇菜ちゃんは高校どこ?」


「私?桜木高校だよ。ここから電車で二つ隣の駅」


「ふーん。そっか。じゃぁ僕もそこにする」



決めた!と大和が言い出すと宇菜も明子も目を見開いた


特に動揺したのは明子だ


「大和くん!?宇菜が通う高校は平凡よ?偏差値はごく普通の高校なの!」



明子の言っている事は最もだが、ちょっぴり傷つく


でも焦る気持ちもわからなくはない


葉子が言っていたのだ


大和が成績優秀で大学から既にいくつも声がかかっていたのだと


そんなエリートを平凡な高校に通わせるなんて

当然誰もが驚くだろう


だが当の本人はけろっとしていた



「勉強はどこでもできます。でも、宇菜ちゃんと一緒の学校に通えるチャンスは早々ありません」



満面の笑みで言うものだから、さすがの明子も固まってしまった



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