第3章 刺激を求めて
中庭には行かない?
宇菜は首を傾げる
「でも、今日は天気が良いから外でお昼だと気持ち良いと思うよ」
「そうかもね。でも、僕は別の場所がいいんだ」
そう言って大和は歩き出す
まるで校内を把握しているようだった
「大和くん?」
「もうすぐだよ。ほら、あそこの教室」
大和が指差したのは使われていない空き教室だった
とは言え…
「残念だけど大和くん、空き教室は鍵がかかってるよ」
「ふふっ。大丈夫。ちゃんとあるから」
そう言って取り出したのは鍵だった
まさか…と思った時には大和は鍵穴に鍵を挿し込み、ガチャっと音を立てて解錠する
「うそ…何で大和くんが鍵を…?」
「細かいことはいいじゃん。ほら、入ろう」
促されて中へと進む
机と椅子が並べられた普通の教室だ
「大和くん、こんなところでお昼にするの?」
「そうだよ。だって中庭は他にも人がいるでしょ?ここなら宇菜ちゃんを独り占めできるじゃん」
独り占め、なんて言われて頬が熱くなる
大和はそれだけ宇菜と一緒にいたいと思ってくれてるのだ