第3章 刺激を求めて
大和は目の前に立ちふさがる
足を止め、宇菜は大和を見上げた
「大和くん…?」
宇菜を見下ろす瞳に吸い込まれそうになる
深い闇を抱えているような、不思議な瞳だ
子犬になったのは一瞬
今度は宇菜の心の底を探るような視線を浴びせられる
「宇菜ちゃん、ねぇ…僕が他の女の人と仲良くしててもいいの?」
「そ、それは…」
はっきり言えず、口ごもってしまう
他の女の人と仲良くしないで、話をしないで
そんな風に思っていたのがバレてるのだろうか
宇菜は両手をぎゅっと握る
「僕は嫌だよ」
「…えっ?」
「宇菜ちゃんが他の男と仲良くしていたら、その男を殺してしまうかもしれない」
「……や、やだなぁ。冗談きついよ大和くん」
大和から出た恐ろしいセリフ
怖くなり、宇菜は一歩後ずさる
だが大和に腕を引かれ気がつけばたくましい腕の中にいた
「大和くん…?」
「宇菜ちゃん、好きだよ…」
今度は何故かか細い声
一体何が大和をそうさせてるのかわからなかった