第3章 刺激を求めて
大和がただの従兄弟だと自己紹介したのもショックだった
恋人だと皆に自慢したかったのだ
しかし、今日はあくまでも球技大会のお手伝い
「山田さん、何をすればいいかな?」
「じゃぁ資料をまとめてもらっていいかしら」
実行委員である山田さんから指示をもらうと、宇菜は作業にとりかかる
大和の事も気になるがやるべきことはやるつもりだ
大和を囲んだ女子たちは我こそはと大和に作業内容の説明を始める
とりあえず作業は順調だった
力仕事は男子が行うため、教室に残っているのは女子と大和だけ
まるでハーレムのような状態だ
ふと宇菜は思う
もしかしたら中学でも同じような状態なのかもしれない
いつも女子が大和を囲んできゃぁきゃぁ騒いでいるのかも…
また胸がズキッと痛む
大和がモテるのはわかっていたが、目の当たりにすると気分が良くない…
「宇菜さん、疲れちゃったかしら?」
山田さんに声をかけられハッと顔を上げる
気がついたら手が止まっていたのだ
「ご、ごめん…」
「いいのよ。宇菜さん、作業が早くて助かるわ。黙々とこなしてくれるから早く終わりそう」
山田さんはにこっと笑顔を見せる
大和に対して騒ぐ事のない完璧な委員だった