第1章 帰って来た従兄弟
「宇菜ちゃん、好きだよ」
不意に呟かれた言葉
その意味が理解できず、宇菜は聞き間違いかと思い目を見開く
「大和くん…?」
「宇菜ちゃんが僕を受け入れてくれるまで何度でも言うよ。好きだ」
「……っ!?」
聞き間違いではない
大和は宇菜を好きだと言ったのだ
ドキドキしていた胸が更に速くなる
心臓が破裂してしまいそうだ
「宇菜ちゃんは?僕ではない誰かが好きだったりする?」
「えっ…、す、好きな人なんて…」
恥ずかしくて思わず目を反らす
だが、大和は不満そうな声を出した
「…いるんだ」
「えっ!?」
気がつけばきつく抱きしめられていた
力強く、それでも震えている気がするのは気のせいだろうか
「や、大和くん。苦し…」
「ずっと宇菜ちゃんの事だけ考えてきたんだ。他の男になんか、絶対渡さない」
「やだなぁ…私みたいなの、全然モテないし」
またしても言ってて悲しくなる
キスだって大和としかしたことがない
お世辞にも自分が可愛いとは思っていなかった
「じゃぁ、僕のこと、どう思う?」
「えっ…!?」
わずかに体を離されると、ブラウンの瞳が宇菜を覗きこむ