第1章 帰って来た従兄弟
「大和くん」
声をかければ、なぁに?と可愛く見つめられてしまう
そして宇菜は言葉に詰まってしまうのだった
「どうしたの、宇菜ちゃん」
伸ばされた手が宇菜の頬に触れる
昨夜と同じ、艶っぽい仕草だ
「顔、真っ赤だよ?」
「そ…そんなこと」
言われなくてもわかってる
顔が熱を帯びているのだ
朝っぱらから恥ずかしい
だが、大和は気にする素振りはない
「うん。じゃぁ、昨日の続きしようか?」
えっ?という言葉はかきけされていた
気がついた時には唇が塞がれていたからだ
角度を変えながら、執拗に攻めるその姿は獣の様だった
腰に回された腕は逞しく、大和が男であると実感させられる
「や…やま…と、くんっ」
「宇菜ちゃん。忘れたの?ほら、舌出して」
艶っぽい声にクラクラした
抵抗するどころか、言われるがまま舌を出せば
「うん。いい子」
満足そうに微笑んだ大和に舌を絡めとられる
呼吸がくるしくて必死に酸素を求めつつも、大和のキスに酔いしれていた
胸がドキドキして、全身が熱くなる
こんな感情は初めてだった
「あぁ…宇菜ちゃん。本当に可愛いね」
唇を離した大和が宇菜の瞳を覗きこむ