第7章 彼のお部屋
食欲は割りとあるようで、大和はパクパクとグレープフルーツを平らげる
そんな大和の様子にも安心していた
この様子なら元気になるのも早そうだ
「宇菜ちゃん、お薬飲むから水ちょうだい」
「あ、うん」
コップに水を注ぎ、薬と一緒に手渡す
早く元気になりますように…
そう思っていると
「あ、そうだった」
薬を手にした大和が止まる
「どうしたの?」
「この薬、グレープフルーツと一緒に飲んじゃいけないんだった」
「え…えぇ!?」
宇菜は慌てて薬の説明を読む
確かにそこにはグレープフルーツと一緒に服用禁止と書かれていた
「ご、ごめん…大和くん…」
「うん。いいよ。しょうがない」
大和は薬と水を置くと横になる
元気になって欲しいと思っていたのに、まさかの失敗だ
「宇菜ちゃん、落ち込まないで」
「で、でも。私のせいで…」
「違うよ。僕が忘れてたから」
大和はそっと宇菜の頬を撫でる
その手はまだ熱かった