第7章 彼のお部屋
大和の言葉の理解ができなかった
「や、大和くん?」
「宇菜ちゃん、すごく可愛かったのに…。もう服着ちゃったの?」
「えっ、えっ?…ひょっとして、それは夢の中の私…?」
寝ぼけてるのだろうか
まさか、大和くんてば…夢の中の私が下着姿で看病してたって言いたいの!?
あり得ない光景に宇菜は青ざめる
「夢じゃないよ…。そうでしょ、宇菜ちゃん?」
「い、いや…だから…」
「わかった。もっかい着替えて…。そしたら僕、もっと元気になるからさ…」
潤んだ瞳が宇菜を見上げる
話は噛み合っていない
全く噛み合っていないのだが…
「ね、宇菜ちゃん。お願いだよ…」
「大和くん…そんな格好したら、私まで風邪引いちゃうよ…」
「それはやだな…でも、早く元気になりたいな。ダメかな?」
「うぅっ…」
なんだか断れない雰囲気に宇菜は後ずさる
しかし、大和は宇菜の手を離す事はなかった