第7章 彼のお部屋
他にもパソコンが三台もあることに驚いていた
プリンターは二台あるが、大和がパソコン等についての話しをしていた記憶は無い
「私って、大和くんのこと…全然知らないのかなぁ」
少し落ち込みそうになる
しかし、今は大和が元気になることが先だ
「んん…」
「あっ、大和くん?」
大和が苦しそうな声を出し、ゆっくり瞼を持ち上げる
ブラウンの瞳がぼんやりと宇菜を捉える
「…宇菜ちゃん?」
「うん。具合どう?何か欲しいのがあったら言ってね」
「…なんで、ここに宇菜ちゃんが…」
その表情は少し不満そうだ
おそらく勝手に部屋に入った事が嫌だったのだろう
「さっき葉子さんから電話もらって。心配できちゃった。勝手に入ってごめんね」
「…それは…うん、いいや。心配かけてごめん。でも、僕は大丈夫だから」
声にハリが無い
全然大丈夫そうではなかった
「私、帰らないよ。大和くんが元気になるまでここにいる」
「…宇菜ちゃん」