第7章 彼のお部屋
階段を上り、廊下の端でいくつもあるドアを見渡す
そ、そういえば…
私ってば大和くんの部屋がどこか知らないや
行きたいって何度もお願いしたけど断られてたし…
とりあえず近いドアから順に開けていく
すると三番目の部屋が大和の部屋だった
「や、大和くん…?」
丸く膨らんだ布団の中、苦しそうな表情で寝ている大和
声をかけても反応は無い
枕元に薬と水が置かれているため、飲んで寝たばかりなのかもしれない
とりあえず冷却シートを張り替えてあげると、宇菜は早速何もすることが無くなる
手持ちぶさたになってキョロキョロと部屋を見渡していた
…これが、大和くんの部屋
そこは宇菜の部屋より少し広い
置かれた家具はシンプルで男の子らしいと感じてしまう
気になったのはたくさん飾られた写真
「これ…私?」
写っているのは小さな女の子と男の子
紛れもなく宇菜と大和だった
写真が少し色褪せているところを見ると昔から飾られているようだ